2011読んだ本
せっかくなのでまとめてみた。
去年は、年度末の業務進行によりただでさえ死にかけていたのに加え、くだんの大震災。
震災対応で24時間オーバー業務に駆り出されたり新年度の担当変更でテンパっていたりと、なんだかもうよく分からないまま6月を迎えていたような気がする。
また”私”の方でもいろいろと激動の一年で、本を読む「活気」と「時間」の確保にヒジョーに難儀した年でもあった。
2011年の読書メーター
読んだ本の数:49冊
読んだページ数:14212ページ
ナイス:87ナイス
感想・レビュー:30件
月間平均冊数:4.1冊
月間平均ページ:1184ページ
モロー博士の島―他九篇 (岩波文庫)
★★☆☆☆
ラブクラフトもそうだけど、実話調な体裁が取られているのが面白い。そういやデス博士の下準備用に読んだんだっけ。
読了日:01月04日 著者:H.G.ウエルズ
死者の奢り・飼育 (新潮文庫)
★★★★☆
初大江健三郎。冷えて乾いた感じのエログロちょっとバイオレンスで、思いの外好みだった。体臭が猛プッシュされていて読んでて辛かった。
読了日:01月09日 著者:大江 健三郎
20世紀SF〈3〉1960年代・砂の檻 (河出文庫)
★★★☆☆
クラーク、バラードが非常によかった。バラードは前に読んだ結晶世界が全く響かず、合わないのかなと思っていたのだけれど、収録の『砂の檻』は猛烈に良かった。
読了日:01月15日 著者:アーサー・C. クラーク,ロジャー ゼラズニイ,ハーラン エリスン,サミュエル・R. ディレイニー,J.G. バラード
砂の女 (新潮文庫)
★★★★☆
砂を食むような生活も、衣食住と性的充足さえ適当に賄われてしまうと惰性の渦に絡め取られる。外からの鴉を捕まえる手製の罠の名前が「希望」ってなにそれこわい。そして個人的には最近これが笑い事じゃなくなってきてさらにこわい。
読了日:01月19日 著者:安部 公房
宇宙創世記ロボットの旅 (ハヤカワ文庫 SF 203)
★★★☆☆
『捜査』を猛烈な睡魔と格闘しつつ読んだ記憶も新しく苦手意識の強かったレムだが、これくらい砕けてると楽しく読める。あー円城ってこういうのの流れなのかと今更ながらに一人納得していた。
読了日:01月23日 著者:スタニスワフ・レム
機龍警察(ハヤカワ文庫JA)
★★★☆☆
面白く読んだ。冒頭、テロ発生の下りのテンポよくムダがない文章はしびれる。尻切れトンボなラストはまあ続編を見越してのものなんだろう。ところどころ過剰にアニメっぽいのは良いのやら悪いのやら。自爆条項は文庫に落ちてから読む。
読了日:01月24日 著者:月村 了衛
箱男 (新潮文庫)
★★☆☆☆
なんだかよく分からず。
読了日:01月27日 著者:安部 公房
科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)
★★★☆☆
科学とか所詮経験の寄せ集めだよねーアプリオリな真理とはいえないよねーみたいなクダを巻かないようになるために。
読了日:01月31日 著者:戸田山 和久
高野聖・眉かくしの霊 (岩波文庫)
★★☆☆☆
初鏡花。読み下すのが大変。
読了日:02月10日 著者:泉 鏡花
メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)
★★☆☆☆
伊藤計劃は好きだしゲーム版もプレイしてるんだけど、正直これはあんまり好かない。無体だけどゲームのほうが面白いよね。シリーズの不条理を一身に集め、もはや原型を留めぬ継ぎ接ぎゾンビと化したオセロット氏に泣いた。
読了日:02月11日 著者:伊藤 計劃
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)
読了日:02月17日 著者:冲方 丁
マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)
読了日:02月21日 著者:冲方 丁
マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)
★★★☆☆面白かったが。
読了日:02月24日 著者:冲方 丁
人間そっくり (新潮文庫)
★★☆☆☆
避難所で読んでいたのを思い出す。
読了日:03月22日 著者:安部 公房
WORLD WAR Z
★★★★★
去年の収穫その1。実に面白かった。映画化は果たしてどうなるやら。
読了日:03月29日 著者:マックス・ブルックス
厚岸のおかず
★★☆☆☆
バカ本。表題作は結構良い。
読了日:04月14日 著者:向井 秀徳
玩具修理者 (角川ホラー文庫)
★★★☆☆
初小林泰三。『酔歩する男』の時間往還SF×和製おどろおどろしさのブレンド具合が絶妙。
読了日:04月23日 著者:小林 泰三
アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)
★★☆☆☆
神林読者でないので何がなにやら不意打ちを食らった感じ。ラストの雪風飛翔の爽快感が救い。
読了日:04月23日 著者:神林長平
S-Fマガジン 2011年 03月号 [雑誌]
★★★★☆
ジェイムズ・モロウの『ヒロシマをめざしてのそのそと』が実に良かった。現実に立ち向かうフィクションの力、ってこういうことだよ。アメリカ特撮映画に詳しいとまた楽しめたんだろうな
読了日:05月06日 著者:
SFはこれを読め! (ちくまプリマー新書)
★★☆☆☆
まあ読んだ。読まなくても良かった。
読了日:05月24日 著者:谷岡 一郎
平ら山を越えて (奇想コレクション)
★★★☆☆
逮捕収監されたテロ実行犯のクローンが、処刑復讐用に遺族たちに配られるという『マックたち』がとても良い。
読了日:06月01日 著者:テリー・ビッスン
S-Fマガジン 2011年 04月号 [雑誌]
初北野勇作。
読了日:06月02日 著者:
S-Fマガジン 2011年 05月号 [雑誌]
モロウ、最後まで良かった。ドクトロウもSFなんだとすると(勿論そうなんだけど)、自分が好きなのは果たしてSFなのかということに思い至った。
読了日:06月05日 著者:
ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))
★★★☆☆
初ラブクラフト。持久力抜群の情景描写が僕を苦しめた。
読了日:06月12日 著者:H・P・ラヴクラフト
Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)
★★★★☆
なんだかよく分からんが、構造的に複雑で感傷的な話は大好き。
読了日:06月17日 著者:円城 塔
相対主義の極北 (ちくま学芸文庫)
★★★☆☆
息切れしつつもなんとか読み終える。著者の細部をつつき続ける思考スタミナに並走するのは非常に疲れた。
読了日:06月20日 著者:入不二 基義
S-Fマガジン 2011年 06月号 [雑誌]
読了日:06月28日 著者:
S-Fマガジン 2011年 07月号 [雑誌]
読了日:07月03日 著者:
ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)
★★★★☆
極度の疲労を押してホテルの廊下を這いずる主人公に、人生の機微を見た(何
読了日:07月09日 著者:フィリップ・K・ディック
S-Fマガジン 2011年 08月号 [雑誌]
読了日:07月24日 著者:
象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)
★★★★★
去年の収穫その2。初飛浩隆。表題作が抜群に良く、クライマックスは終始脳がトリップしていた。
読了日:08月03日 著者:飛 浩隆
ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))
★★☆☆☆
小中理論ってこういうことかぁ〜とまた得心。端折れそうな細部のつるべ打ちに疲れた。
読了日:08月16日 著者:H・P・ラヴクラフト
ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)
★★★☆☆
ハードすぎて理解できない部分が多々あった。多世界解釈に懊悩するリアリティはよくわからん。
読了日:08月28日 著者:グレッグ イーガン
S-Fマガジン 2011年 09月号 [雑誌]
読了日:08月29日 著者:
七瀬ふたたび (新潮文庫)
読了日:08月31日 著者:筒井 康隆
S-Fマガジン 2011年 10月号 [雑誌]
読了日:09月07日 著者:
太陽の塔 (新潮文庫)
★★★☆☆
初森見登美彦。そして多分最後。小指を負った日に読んだ。
読了日:09月08日 著者:森見 登美彦
砂漠の惑星 (ハヤカワ文庫 SF 273)
★★★★☆
俺でも分かるレム。ただ前に半分くらいで力尽きた『エデン』とかぶる部分が多いようで、またエデンを読むのが怖くなった。
読了日:09月09日 著者:スタニスワフ・レム
しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)
★★★★☆
実に面白く大好きな作家なのだけど、「<私のコピー>が<私>と同型の内面を備えている」ってことと、「<コピー>が<私>である」ってのを意図的に混同させてるのがずーっと気になっている。ワザとなのか?
飛浩隆の「情報的似姿」はここを潔く割り切ってるんだけど。
読了日:10月01日 著者:グレッグ イーガン
エロチック街道 (新潮文庫)
★★★☆☆
才気の爆発に眩暈が
読了日:10月04日 著者:筒井 康隆
悪夢機械 (新潮文庫)
★★★★☆
「くずれてしまえ」と「少数報告」がfav。スピルバーグより断然面白いぞ。
読了日:10月11日 著者:フィリップ・K. ディック,浅倉 久志
春琴抄 (新潮文庫)
★★★★☆
共依存すなぁ
読了日:10月13日 著者:谷崎 潤一郎
2999年のゲーム・キッズ 完全版 DX (講談社BOX)
★★☆☆☆
アイディア一発勝負で、転がし方は結構普通。ただ連載スピードとショートショート形式ってのを踏まえると十分すごいのだろう。中編はなんだかイマイチだった。
読了日:10月23日 著者:渡辺 浩弐
S-Fマガジン 2011年 11月号 [雑誌]
読了日:11月17日 著者:
グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
★★★☆☆
「●●の〜はAだがBでなく、まるで××の△のようだった」的な文章の連続で腹いっぱいになり、結構これだけだとしんどい。
読了日:11月18日 著者:飛 浩隆
ラギッド・ガール 廃園の天使 2 (ハヤカワ文庫 JA ト 5-3) (ハヤカワ文庫JA)
★★★★★
去年の収穫その3。前作の超ハードな種明かしは想像を超えていた。現実パートはイーガンとガチンコしとる。いかにも日本的な気味悪さ。
読了日:12月06日 著者:飛 浩隆
ロボット兵士の戦争
★★★★☆
戦争に限った話ではなく、テクノロジーによって世界は変るという話。決定や責任の主体たる人格が間に挟まっていることでなんとなくOKにされていた諸々が、完全自動にしてみると途端に反直観的になってしまう、っていうような。
読了日:12月17日 著者:P・W・シンガー
WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (ShoPro Books)
★★★★★
収穫その4。今年読んだ本であえて選ぶならベストはこれ。読むたびに基地外じみた細部の仕掛けが見つかるのが恐ろしい。ところどころに仕掛けられたサブリミナルにくらくら・・・
読了日:12月26日 著者:アラン・ムーア
バタイユ (学術文庫)
★★★☆☆
澁澤訳の『エロティシズム』を読みかけてサッパリだったので、とりあえず入門書から。
読んでみて思ったのは、現代思想に踏み込めるほどの基礎体力がないということ。
読了日:12月30日 著者:湯浅 博雄
反省
・ジャンル小説以外読まなすぎ
・人文書を読まなすぎ
・気取って難しいところから読んで放棄しすぎ
・読まなすぎ
今年はもうちょっと頑張ります。